石原一級建築士事務所
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健康的に暮らせる家を選ぶには?

2014.12.16

カビはシックハウスの原因に!

「新しい家で暮らし始めたら頭痛やめまいを感じるようになった」
「鼻炎やアレルギー症状が出た」
もしかしたらそんな話を聞いたことがあるかもしれません。新しい家での生活をスタートさせた矢先にそんな問題が起きては、たまったものではありませんね。

このような症状は「シックハウス症候群」と呼ばれています。一般的には、家を建てるのに使う建築材や家具を作ったりする際に使われる塗料、シロアリ対策に使う防蟻剤など、様々なものに含まれる化学物質が原因だとされています。この化学物質を原因とするシックハウス症状の場合、自然素材を使った家にすることでかなり改善することができます。しかし残念ながら、実はシックハウスの原因は化学物質だけではないのです。

厚生労働省主催の室内空気質健康影響研究会が公表した報告書には、『シックハウス症候群は、化学物質以外の環境因子も原因物質として取り込まれており、また、広い意味では建物内部のある種化学物質の中毒的な症状もシックハウス症候群として評価される場合もある。』と述べています。またこれに関して日本弁護士会が公表した「化学物質過敏症に関する提言」に分かりやすい図が添付されています。

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ご覧のように化学物質の他にカビやダニなどのハウスダストもシックハウスの原因になります。そして、実はこのカビやダニこそが厄介なのです。カビが最も繁殖してしまうのは気温が20℃~30℃、湿度が60%~80%だと言われています。そしてこれはダニが好む環境でもあります。カビを餌にしてダニが増える、つまり、カビとダニは1セットと言えるほどに密接に関わっていて、カビが増えればダニも増えるのです。

何よりダニのフンは要注意です。“アレルギーを引き起こす物質の代表格”と言われるほどに強力で、アレルギー体質を持つ方の80%以上が何らかの症状を引き起こされてしまいます。

カビやダニによるハウスダストが最も厄介なのは、対策が非常に難しいということです。高断熱高気密の家であれば、計画的に換気を行ってハウスダストを全て外へ出してしまい、そもそもカビが生えないように湿度をコントロールすることでこの問題は解決できます。というより、問題自体が発生しません。しかし、断熱気密性能の不足した一般的な家ですと換気を行っても完全に家中の空気を入れ替えるのは現実的ではありませんから、毎日大掃除を行うくらいしか有効な対策がないのが現状です。

換気の重要性、気密と換気の関係

快適で健康的に暮らしていただくためには高断熱・高気密は欠かせません。
しかし、もしかしたら、

「高気密って息苦しくないの?」
「汚れた空気が室内にずっとありそう・・・」
「家が呼吸できないので家の寿命が短くなるのでは?」

そんな印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

気密性能が高いと 家の中に空気を閉じ込める形になりますから
「息苦しい」「息が出来ない」といった印象をお持ちになるのも無理はありません。
そして事実、気密を高めた“だけ”の家というのはご想像通りの暮らしにくい家になってしまうことでしょう。

しかし、そのような心配はご無用です。そのために「換気」があります。
家の中の汚れた空気を外に出し、外の新鮮な空気を家の中に取り入れることで、
家の中を清浄な空間に保つことができます。
しかも、換気によって空気中の水蒸気も外に出ますから、家中の湿度を一定に保ち、
カビの繁殖を抑えることが出来きます。当然、カビを抑えればダニも増えません。

つまり、換気をすることで、カビやダニ、その他のハウスダストや化学物質まで
まとめて外に放出されていきますから、シックハウスの問題が発生しないのです。

さて、ここで「換気したら、そもそも気密が保てなくて本末転倒なのでは?」と
疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、従来のようにドアや窓を開けての換気を行ってしまえば気密は失われてしまいます。
しかし、ここで言う「換気」とはそのような自然にまかせた換気ではありません。
本当の換気とは、空気の出入り口を常に明確にして空気の流れを計画し、
必要十分に空気を入れ替えることです。

気密性能を高めることで、はじめて空気の流れを計画的にコントロールすることが出来るため、
適切な換気を行うことができるのです。

換気は、第一種熱交換換気がおすすめ

一口に換気といっても、その方法によって大きく3種類に分けることができます。
給気・排気の両方を換気扇などで機械的に行う「第1種換気」、
給気を機械的に行い、自然の力で排気する「第2種換気」、
自然の力で給気を行い、機械的に排気する「第3種換気」です。
また、番外として給気も排気も自然の力で行うのは「第4種換気」と呼ばれます。

現在の住宅では、主に第1種換気と第3種換気が使われており、
初期費用やメンテナンス性に優れる第3種換気が大多数を占めています。
しかし、、第3種換気では給気は自然の力に頼っているため給気口自体はただの穴です。
つまり、気密が台無しになってしまい、計画的に換気ができません。
当然、暖めた室内の熱も大量に逃げていきます。

初期費用は余分にかかってしまいますが、第1種換気であれば給気も排気も機械的に行うので、
計画的な換気が行えます。必要最小限の換気を行うので、室温に及ぼす変化が少なく、
家全体を適温に調整しやすくなりますし、光熱費削減にもつながります。

暮らしの快適さ、省エネ、特に長く住み続けることを考えるのであれば、
第1種換気のメリットのほうが大きいと言えるでしょう。

ヒートショックのリスクと対策

近年、冬になるとテレビや新聞などで「ヒートショック」について伝えられる事も多くなりました。

ヒートショックとは、例えば暖かいお風呂から寒い脱衣所へと移動したときのような
急激な温度変化により、体に様々な悪影響がでてしまう事です。
急激な温度変化により手足の末梢血管が収縮して血圧が高くなり、最悪の場合は
脳卒中や心筋梗塞を引き起こし、死に至ることもあります。

若い方は意識されていないのが実情ですが、年齢を重ねるにつれ危険性は高まっていきます。

東京都健康長寿医療センターによると、2011年の一年間で約17000人が入浴中に亡くなっていると
推計されており、そのほとんどはヒートショックによるものと思われます。

ヒートショック

警察庁の発表によると、ここ数年の交通事故による年間死亡者数は4000人代ですから、
ヒートショックによる死亡者は、交通事故の実に4倍にもなります。

ヒートショックを防止するためには、原因である部屋ごとの温度変化をなくしていくことです。
つまり、部屋毎に冷暖房する暮らしではなく、家じゅうを暖房して温度差を無くすことです。

とはいえ、これまでの一般的な日本の家庭のように、部屋ごとにエアコンやファンヒーターで
暖房していては家全体を暖房するのに一体どれほどの光熱費が必要になるでしょうか?
これではあまりにも現実的ではありません。

家全体を暖房して、なおかつ光熱費もかけないのなら、やはり高断熱高気密にした上で、
“空気の流れ”をコントロールするのが最も現実的です。
十分な断熱気密性能がある家なら、外の冷たい空気を入れず、暖かい空気を逃がしません。

そして、間取りの観点からは、部屋の間は、壁ではなく、建具で仕切る。
一階と二階は、小さくても良いので階段のほかに吹き抜けでつなぎ、空気の出入りを意識する。
一階と二階の空気の流れまで意識した「広がりのある間取り」にすれば、
家の中の温度をほぼ一定に保つことができるのでヒートショックとは無縁です。

断熱気密の性能を高めれば、
24時間 家中を暖房したとしても、光熱費は約12000円ほど。一般的なご家庭とほぼ変わりません。
さらに高い性能で家を造れば、一般的なご家庭の1/3~半分ほどの光熱費に抑えることもできます。

冷暖房費



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