石原一級建築士事務所
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住んで快適な家をどう選ぶか?

2014.12.16

断熱と気密は快適な暮らしの立役者

「我が家」とは本来、世界で一番 安心してくつろげる居心地の良い場所であるべきです。しかし、一歩家に入ったとき、夏は「暑い!」と思わず口走ってしまうほど蒸し暑く、冬は息が白くなるほど寒い家であったなら、くつろぐどころか、ストレスの溜まる不快な場所になってしまいます。これが夏は涼しく、冬はぽかぽか暖かい家であったならどんなに快適でしょうか。

想像してみてください。夏は家中が涼しく爽やかで 流れる汗をタオルで拭う必要もありません。冬は暖かく、小さなお子様が遊びつかれて眠ってしまっても風邪の心配はありません。かわいい寝顔をながめつつ、一緒にお昼ねを楽しんでも良いかもしれませんね。そして一度冷暖房してしまえば スイッチを切ってもそんな快適な空間を長い時間、魔法瓶のように保ってくれるのです。

そんな 快適で幸せな空間を造り出してくれる立役者が「断熱」と「気密」なのです。

断熱と気密が不足している家の冬は まるで冷凍庫に

断熱と気密の性能が足りないと、家の気温や湿度は外気の影響を大きく受けてしまいます。夏は焼き付けるような太陽の熱とジメジメとした湿気で まるでサウナの中に無理やり閉じ込められているよな気持ちになってしまいます。それでも、日本の家というのは昔から この暑くて不快な夏をいかに過ごすかに重きが置かれて造られてきたこともあり、大抵は風通しを良くしたりといった工夫がされていますので まだ良いほうです。

しかし、冬は夏のような工夫はほぼありません。このような住環境は近年でも変わらず、暖かいのは暖房をしているリビングだけで他の部屋やトイレなどは外気温と同じ、冷凍庫の中にいるような凍えるような寒さのままです。そして、暖房をしている部屋であっても、暖かい空気はすぐに逃げてしまいます。下の写真は、温度の違いが色でわかるサーモカメラで断熱・気密性能の低い部屋を撮影したものです。

気密の悪い家

床の温度が12℃前後なのに対して、天井のほうは赤くなっていて17℃以上あり、暖かい空気がどんどん上の方へ逃げてしまっているのがお分かりいただけると思います。これではいくら暖房しても燃料を消費してしまうだけで見合った暖房効果は得られません。

どうやって断熱する?

一口に断熱といっても、その方法は大きくわけて「充填断熱」と「外張り断熱」の2種類あります。

充填断熱とは「断熱材」と呼ばれる、熱を通しにくい建築材を柱と柱の間などに充填する(詰める)方法で、日本よりも遥かに高い断熱性能が必要とされる北欧でも一般的に採用されている方法です。充填断熱は断熱材を増やすことで必要な断熱性能を十分に確保できますし、壁の内側に断熱材を使うので、外張り断熱のように 断熱用の空間を作るために支持材を使う必要もなく、コストが低く抑えられる場合が多いです。しかし、柱の部分には断熱材がありませんので、そこから熱が逃げしまうので対策が必要になります。

外張り断熱とは、家の外側を板状の断熱材で覆ってしまう方法です。壁の中の空間が自由に使えるので、配線や配管のスペースに利用でき、施工が比較的簡単です。また、家全体を覆うので充填断熱のように柱部分から熱が逃げてしまう事も無く、気密性能の確保も容易です。しかし外張り断熱は、断熱材の重さで外壁が垂れ下がる危険があるため 断熱材を厚くするのが難しいため、断熱効果には限界があります。

(充填断熱・外張り断熱の図)

これからは付加断熱が当たり前に

充填断熱と外張り断熱は、それぞれのメリットとデメリットがあり、一概にどちらが優れているというものではありません。どちらを選ぶかは 施工性やコストなどの条件をよく比較し、どちらの方が建てる家に合っているか、しっかり検討する必要があります。

より断熱性能を高めるためには、充填断熱したうえで、さらに外張り断熱を行う「付加断熱」が良いです。
充填と外張りの両方の断熱を行うことでお互いがお互いの弱点を補い合うので、
今までにない高いレベルでの断熱・気密性能が実現できます。

特に寒冷地では、外張り断熱だけでは、一般的な長期優良住宅レベル程度の断熱性能しか確保できません。充填断熱だけでも、長期優良住宅のレベルよりは性能が確保できるものの、まだまだ不十分というレベルですから、これからは付加断熱を基本にしてゆく事になっていくでしょう。

基礎断熱のすすめ

壁に断熱を施しても まだ完璧ではありません。冬に床を裸足で歩くと、あまりの冷たさにビックリしたことはありませんか?これは、冷たい外気温が床下から家の基礎を伝って熱を奪ってしまうためです。もちろん、素直に床を暖房しても良いですが、熱はどんどん逃げていくので暖め続けるには光熱費がかかります。

ですので、家の基礎から断熱をして熱を逃がさない「基礎断熱」がおすすめです。
基礎断熱とは、その名の通り 家の基礎のコンクリート外周、または内側に断熱材を張って断熱する方法です。基礎断熱することにより 湿気が篭りやすい床下が 外と熱的に分かれますから、室内と同じく乾燥状態を保つことができます。

また、温暖な地域では、シロアリが断熱ボードの中や基礎との間から侵入してくるのを防ぐため 断熱材は内側にすることが指導されています。しかし、内側に貼った場合 外気の熱がコンクリートを通じて家の中に伝わってしまいます。つまり、せっかく断熱したのに冷たい外気温が床下から家の基礎を伝って熱を奪っていくのを完全にはシャットアウトできないのです。そのため、寒冷地で断熱材を外側にして断熱性を確保したうえで、しっかりとシロアリ対策も行うのが良いでしょう。



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