石原一級建築士事務所
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高気密の住宅でも施工方法によって大きく違う

2014.11.06

防湿シート

冬型の内部結露の対策は、室内側に気密シートを貼り、室内の水蒸気を壁の中に入れないようにする、
というお話を他のコラムでしましたが、そもそも「壁内に水蒸気を入れない」という考え方自体が
本州の住宅業界には、浸透していませんから気密シート自体を貼っていない住宅がほとんどです。

高気密・高断熱を売りにした住宅会社でも、室内側に気密シートを確実に貼るのは慣れていないと難しく、
施工に精通した職人が必要になります。
そのため、施工に慣れていない職人でも比較的容易に施工できる「室外側」での
気密確保を行う業者がほとんどです。

しかし、当然ですが、室外側で気密を確保しても 内部結露の対策にはなりませんから、
室内側でもある程度は気密を確保する必要が出てきます。
しかも、下屋部分の天井、2階外部合板の気密を気密シートで連続させなければならないので手間がかかり、
精度も低下します。気密テープを大量に使うため、余計な費用がかかってしまいます。

また、室外側での気密テープ施工は、何より施工精度が低下する恐れがあります。
なぜなら、雨天時など湿気が多い場合、テープが正しく粘着せず、モイス(外壁面材)での気密が
適切に行われないからです。


施工の確実性や費用の面からみても、室内側で気密をとる
ほうが、
お客さまにとってメリットの多い選択であることは間違いないでしょう。

室内側にキッチリと気密シートを張り、完璧に気密した住宅は、
まだ建築中で構造が見えている状態でも非常に美しいものです。

最後に外側と室内側でのメリット・デメリットを一覧にしてみます。
高気密住宅を売りにしている会社でも気密設計・施工の方法によっては
経年とともに気密が低下するリスクがありますので参考にしてみてください。

気密確保もメリット・デメリット「室内側」「室外側」比較

室内側のメリット
・先貼りシートを用いた気密シート貼りは確実な気密施工ができる。(コンセント廻り、配管スリーブの処理も確実に施工できる。
・気密テープなど副資材の使用量を減らせる。

室内側のデメリット
・施工に精通した職人が必要。ただし、新住協などの団体や気密シートを得意とする人達からの技術指導を受ければ、容易に技術移転ができる。

室外側のメリット
・シート貼りになれていない職人でも外部合板、気密テープの施工できること。

室外側のデメリット
・テープが湿気に弱いため施工精度の低下リスク、経年劣化のリスクがある。
・室外側で気密を取る場合でも室内側で気密シートの施工(ある程度ラフでも可)はしなければならない。
・耳付きグラスウールの耳を施工するとき、丁寧に木軸にステップルで重ね合わせてとめなければならない。(気密の確保)
・下屋部分の天井と2階外部合板の気密を気密シートで連続させる必要があり、なれない職人は、結局手間がかかり、確実性も低下する。
・気密テープを大量に使うため、余計な費用(大工手間、テープ代で15万~20万円)がかかる。



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