一か月の電気代が10万円もかかる住宅
長岡(新潟)の冬の暮らしは、朝起きて、まず部屋を暖めることから始めると思います。
ファンヒーターや石油ストーブ、電気ストーブ、エアコン、床暖房などなど。
新築する場合、結露の出やすいファンヒーターや石油ストーブは、
住宅メーカーから薦められないと思いますが、床暖房をすすめられる事もあります。
ぜひ注意して頂きたい事は、暮らしながらかかる冷暖房費のことです。
「一か月の電気代が10万円もかかってしまいました・・・」
新築での暮らしが始まり、冬もあったかで快適だったのに
翌月、電気代の請求書を見て愕然とされたとのご相談を受けたことがあります。
足元があたたかくても電気代が10万円もかかってしまっては・・・。
結局、このお宅では、床暖房を設置したにも関わらず、電気代のあまりの凄さに
床暖房を使わずに暮らしているそうです。
暖かさを逃がさない構造の家になっているか?
どのような暖房を入れようかと設備面を考えることも大切ですが、
もっと大事なのは「家自体が暖かさを逃がさないように出来ているか?」という事です。
なぜなら、どんなに優れた暖房設備を入れても、熱をどんどん逃がしてしまう住宅の造りだと
暖房費ばかりが無駄に多くかかってしまうからです。
具体的には、住宅の断熱気密の性能不足。
断熱気密が不十分だと、部屋を暖めても、暖められた空気・熱は、窓・壁やすき間から
どんどん外へと逃げていくため、暖房を止めるとすぐに寒くなってしまいます。
そのため、部屋を暖かく保つには常に暖房を使用し続けなくてはならず、
暖房費はどんどん かさんでしまいます。
特に寒冷地では中途半端な断熱気密の性能では、ほとんど意味がないばかりか、
全室を暖めようとするとかえって沢山の暖房費がかかってしまいます。
一般的な長期優良住宅の断熱性能は不十分
「石原建築の家づくり」のページで“不十分な基準”とご紹介したように
一般的な長期優良住宅レベルの断熱性能である「次世代エネルギー基準」を満たしただけの家で
全室暖房した場合、従来の部屋ごとに暖房していた家と比べて暖房費は約2倍近く跳ね上がります。
断熱性能を高めれば、暖房費は1/3~1/4に
一方、断熱・気密性能を高めていくと、例えば・・・
北海道レベルの断熱・気密性能の家(Q値1.6以下、C値1.0以下)であれば、
「次世代エネルギー基準」を満たしただけの家とほぼ同等の暖房費となります。
さらに世界的に見ても高性能な断熱性能であるQ値が 1.0 以下の家ともなりますと
敷地による日射条件(室内に取り込む熱量)によっても変わってきますが、
暖房費は 1/3~1/4程度まで抑えられる省エネかつ快適な家となります。
ここでは、冬の暖房についてお話しましたが、逆に夏の場合も同様で、
断熱気密が不十分な住宅では、エアコンを止めるとすぐに暑くなってしまいますし、
涼しさを保つために長い時間、エアコンを動かさなくてもなりません。